小杉小二郎小杉小二郎小杉小二郎小杉小二郎
小杉小二郎

小杉小二郎について

小杉小二郎(1944– )は、東京に生まれ、祖父・小杉放庵の芸術を受け継ぐ血脈の中で育った。

若き日にパリへ渡り、サロン・ドートンヌをはじめとする数々の舞台で作品を発表し、以来半世紀以上にわたり、フランスと日本を行き来しながら独自の画境を築いてきた。

彼の絵画には、果物や花、静物や風景といった日常のモティーフが繰り返し登場する。

しかしそこに描かれるのは単なる対象物ではなく、時を超えて息づく静かな生命の気配である。

落ち着いた色調と詩的な構成の中で、テーブルの上の洋梨や窓辺の花は、まるで人間の心を映す鏡のように佇み、見る者に深い静謐を伝える。

小杉の作品には、東洋の精神性と西洋の写実が自然に溶け合っている。

パリという都市の光と影を吸収しつつも、東方の感性を失わず、調和と叙情を大切にする姿勢は一貫している。

その世界は、絵画を超えて「心の風景」となり、鑑賞者に穏やかな詩情を呼び起こす。

取扱作品